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加速減価償却目的で買うアメリカ不動産の3つの落とし穴とその対策

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ずーっと気になっていたこのトピック。私の意見を言おうか言うまいか。。。でもあまりにも最近良く聞くようになったので皆さんと私の意見をシェアします。

ちょっとかなり辛口コメント&リアリスティックな内容になりますので読みたくない、知らない方がいいと思う方は読まずに画面をクローズしてくださいね。本音で語りますから。


まずは加速減価償却とやらの意味を簡単に説明しましょう。

不動産においての減価償却とは不動産は毎年朽ちていくというところからその想定数値を計上し、不動産から得る収入と掛け合わせ収入を低く見せることにより所得税を減らす、というもの。朽ちる、という部分から減価償却の対象になるのは建物部分のみ、土地は含まれません。

更に加速させるために通常アメリカでは26.5年の間償却が取れるものを4年で償却してしまおうというもの。これは不動産からの収入や自分のお給料などが高すぎて税金を所得の50%もしくはそれ以上取られてしまっている人には魅力的な税金対策。26.5年にわたるものを短縮させて4年で計上させるわけだからペーパー上は収入に対してこの償却部分をあてがうと収入ががっくり減るので支払う税金を減らせるというもので日本の富裕層の方にとってはなんともおいしい話なんですね。

でも果たして本当においしい話なのでしょうか?
加速償却している間はそれでいいと思います。問題はその後。。。

相談に来る日本の方々の90%はそのあと5年目(正確に言うと6回目のお正月)に転売を試みているというのです。皆さんが口をそろえて同じことを言うということは誰かがとこかでこういう情報を出しているということがうかがえます。

償却できなくなった物件を転売したときに更なる収入として考えられるのはアメリカのある一定のエリアではキャピタルゲインです。不動産の価値が上がっていくエリアではおおいに期待できますがここで落とし穴1が待っています。。。。

落とし穴1:5年目に物件価格が上昇しているのか?

南カリフォルニアあたりでは長い目で見ると物件価格は右上がりの傾向にありますが短いスパンでは上がったり下がったりしています。5年では下がっている時期にちょうどあたってしまう可能性はとても高いです。
落とし穴2:4年間恩恵をうけた減価償却分がリキャップされ収益となってしまう
今までホクホクで受け取っていた減価償却ですが転売時にはその分が一気にリキャップされてしまう為に自分の他の収入と足すとえらく上がってしまうのでタックスブラケットがぐんと上がってしまう=そこで上がったブラケットにそって結局税金を払うことになる。ブラケットが上がるということは更に高い税率で計算されてしまう可能性もあります。

落とし穴3:源泉徴収税もお忘れなく

個人の収入と相殺する目的で物件を個人名で所有していた場合は更にゲインがでてもそこから源泉徴収税が自動的にひかれます。もちろんゲインがなければいいのですがアメリカの不動産を買ってゲインを得ないというのは何ともさみしい結果です。

減価償却の本当のベネフィットはアメリカ不動産の場合、新築だろうが中古だろうが木造だろうが鉄筋だろうが1900年に建った家であろうが自分が購入してから26.5年の減価償却年数がリセットされること。だいたい26.5年も投資物件を所有するというのも珍しいので少しづつ償却をし、10年以上所有して転売すればかなりのゲインもあります。
まず、アメリカと日本では考え方が全く違う。税金とは収入がある以上避けて通れない項目です。税金を払いすぎているということは収入が多いということ。Lucky you!と受け止めるといいと思います。節税という感覚はアメリカにはなく、税金を抑えることを考えるのであればもっと収入を増やすことに専念すべき、という考え方でこれは私も賛成です。税金を払っても収入も上がればいいわけでしょう?

なので節税ではなくTax Benefit(税金優遇策)というものは存在しています。不動産でのTax Benefitは償却が26.5年間得られて転売するごとにリセットされること、所有する名義によって所有時、転売時の得策を得られること、トラストなどで相続なども有利になること、などがアメリカの富裕層がおこなうもの。

これは日本の会社が日本人にアメリカの不動産を売りたい時に節税効果と抱き合わせて売ろう!というある種マーケティング技法だと私は思っています。アメリカにある日本人向けの会社も同じことを宣伝文句として日本の方に不動産を売っています。目先の数字だけで本当にその人の将来のことなんて考えていない、というか知らないんでしょうね。転売を試みてみてびっくり!ってこともあるでしょう。もちろん全てを理解してそれでも加速償却を取りたいというのであればそれはその人の考え方なのでいいと思います。計画さえきちんとしていれば悪い目のつけどころとは思いません。

不動産は基本、長期投資です。長期とは8年プラスと考えてください。だからしっかりとした将来のプランなく物件を買ってしまうのはどうかなと私は思います。

ではその落とし穴の対策法なないのでしょうか?

これは対策法というよりは自分のビジョンに合わせて決めていくしかありませんから自分がしっかりしている必要があります。

対策1:人生設計をきちんと見る
加速償却を取るのであれば転売時に退職しているとか何か今の収入ががっくり下がるイベントがあることを前提として行うと、償却分がリキャップされても自分の他の収入も減っているのでタックスブラケットがそんなに上がらずに済む。

対策2:長期所有を考える
5年目に売らずに10年は物件を所有し、ゲインを確実なものにする。その間にキャッシュフローもあると思うので収入アップに力を注ぐ。

対策3:購入時の名義の重要性を知る
名義変更は簡単にできますがここにも落とし穴はあります。(ここでは省略)長期で所有するのであれば法人で持つことがベスト。これまたよく聞く話ですが皆さん口をそろえてLLCに!とおっしゃいますがこれも必ずしも得策ではないのです。全てはその人の不動産を買う目的とそこから得るリターンをどうするのか、というところをしっかり押さえておかないとこんなはずじゃなかった、ということになります。
 
というわけで加速減価償却が自分にとって本当に得策かどうか、しっかり考えてから投資をしましょう。私は少なくとも節税目当てで不動産購入はしていません。
言われたままに鵜呑みにするのは危険です。この記事も私の意見ですので更に調べていくことも知識のひとつとなると思いますし知っていないと自分が損してしいまいます。

不動産は『資産形成』が目的。目的がぶれないようしっかりとした計画が必要です。
 

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