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インスペクションレポート取得後の買い手と売り手の立場を知る

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アメリカで物件を買う場合、買い手の権利としてインスペクションレポートを入手することができます。
これは何かというと物件を買う前にその物件の状況を専門家に見てもらい結果をリポートにしてもらうことができるので工事や修繕などが不得意な人(またはそういうことが全くわかない人)や現地にいないで物件を購入したりする人などにとって重要なレポートのひとつとなるのでそのレポートを入手できるという権利は買い手にあるのです。
インスペクションリポートは内容がとても充実していて60ページくらいで戻ってくることもあるので家の状況は一目瞭然。例えコンディションが良くても悪くても、どうでもいいことまで含めて全てしっかりとリポートにのってきます。これがあることにより物件の内情をよく理解できて買った後に『知らなかった』とか『売り手が隠してた』ということがありません。
ではどういうことがそのレポートには含まれているのでしょうか?

リポートは家だけでなく庭、外観、外回りも含まれています。
下記のような外にある階段などAppears to be professionally installed(プロによって設置されたとみられる)and is in serviceable condition.(そのまま使えるコンディション)
などとかなり細かい詳細が書かれてきます。
 
Inspection report_1541 Amate-001
 
典型的なリポートで必ず含まれているアイテムは既存コンクリートのひび。コンクリート施工に携わったことがある人は理解していますが素人になかなか理解ができないのがこれ。
コンクリートは必ずひびが入ります。これは当たり前。なのでリポートではよく指摘されますがこれは100%、修繕してくれる売り手はいません。でもこれを読むと不安になる買い手って結構多いんです。まずThere are large cracks in the floor slab.(コンクリートに大きなひび)。大きなという表現が必要かな?と思いますがこれを読むと『え~!?』と思ってしまうバイヤーは多いです。その後にはBasically cosmetic considerations and action is considered optional.(基本的にコスメティックの部分なのでそのうちの修繕をやるかやらないかは考えておきましょう)。でもこのひびを治す必要は全くないわけです。
Inspection report_1541 Amate-002
 
あと役に立つのは家自体のシステムの部分。ガスや電気や配管など壁の中にあるものや屋根裏のものなど普通の人はアクセスしないところの重要な部分を見ることができます。
通常はこうなってるけど、これはこうなってる、とかいうインスペクターの意見も含まれます。
Inspection report_1541 Amate-003
又リポートを取得することは買い手の権利なので売り手はインスペクションを入れることを断ることはできません。協力しなければいけないのです。
細かいところまでしっかり載っているし、修繕お薦め、とか要チェック、などのコメント付きのものもありますが私の経験からどうでもいいことを『要チェック』とでてくることもあるので面倒な場合もあることは確かです。インスペクターとしては後から『こんな問題があるのにリポートに載ってなかったじゃないか!』と怒られ訴えられたりすることを恐れてどんなに小さなものでも全部開示する傾向にあるのです。
 
ではこのリポートをもらって買い手はどうしたらいいのでしょうか?
物件を把握することはできました。もちろんリポートに載っている全てを治してほしい場合、要望を売り手に出すことはできます。
でもその要望をのむかのまないかを決めるのは実は売り手です。私が物件を売る場合、必ず買い手は何かしら要求してきます。たまにリポート全体の項目の修繕要望を出す人もいます。でもその中から、システムの欠陥だったり安全性が問われるもの以外は要望をのみません。例えば要望のうち、1番と5番はなおすけど後はやりません。という具合。
私が逆に物件を買う場合はできるだけたくさんの要望を出してなるべく多くをなおしてくれたらラッキーという考え方で申請します。
アメリカの不動産の売買はこの辺が公平で、買い手を『お客様』とみる目は全くありません。このあたりは日本と違うようですね。もともと『お客様は神様』という見方が日本にはありますがアメリカではお客さんも店員も同等の立場なのでお互いの言い分があります。これは不動産でも同じこと。平等に交渉をしていきます。売り手がなおしてくれないことに腹を立てたり要望をたくさん出してくる買い手に文句を言ったりするような行為はタブー。
売り手にはまだ買い手を選ぶ権利がありますので1番と5番だけなおすという言い分に対して買い手が納得しないなら契約を破棄することもできます。
又買い手は直してくれないならその分物件の購入金額を下げてほしいという要望も出すことがありますがその金額の背景がないと全く相手にしてもらえません。その時点でその金額が打倒でないと思った売り手は契約を破棄してきますからどうしても欲しい物件だったらその条件をのむかのまないかは買い手が決断します。
売り手がそれでもどうしても売りたい場合は売り手が買い手の要望をのむことになりますがこれは売り手の決めることです。
相手がどう思っているかわかならないのであくまでもビジネスライクに交渉を進めていくことが肝心です。自分の要望が通らずに感情的になったりすると契約は成立しません。
どちらも同じ立場にいることを忘れない事です。
まーこれは交渉しだいなので両方が折り合わない限り契約は成立しないことになるのです。
レポートは物件を買う場合、自分のための記録として必ずもっておきたいアイテムのひとつですね。アメリカと日本では多少考え方にも差があるようなので実態をシェアさせていただきました。物件を売ったり買ったりするときに皆さんの役にたつとうれしいです♪
 

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